浙江省・盐官と西塘老街を訪ねる。前編

 日本と同様、中国も5月初旬は大型連休(労働節)となる。

2月の春節休暇時は上海で数名のコロナ感染者が出たことから、
大事をとって敦煌に旅行に行く計画を諦めていたので、
今度こそはと思っていたのだが、語学資格試験の準備に注力してすっかり手配を忘れていた。

気がついた時には飛行機も高速鉄道もチケットが取れず、
トホホな状況だったのでせめてもの思い出に、
浙江省の盐官と西塘の日帰りツアーに参加することにした。
結果かなり楽しかったので、記録に残したいと思う。

※分量と写真が多くなったため前・後編に分割

以下、旅行記。

5月1日、労働節連休の初日ということもあり、
道路は帰省・旅行の車列でさながら民族大移動の体であった。

※ニュースによれば労働節期間中に全国で延べ2億6千万人が
移動するという。(全日本国民の倍!)

そのため、朝9時頃に上海を出発した我々が最初の目的地である
浙江省海宁市の盐官(塩官)に到着したのは12時半頃となった。

盐官は盐=塩と官=官職という字面の通り、
製塩業、役人の輩出が盛んなことが
その名の由来であるとの事である。













盐官の街並みにも興味が湧いたが、
今回ここにやってきた目的は
钱塘江という河の逆流現象を見ることだ。

逆流現象は大潮の時期に海面の水位が河の水位を超えるために
発生する現象で、現地では「大海嘯」と呼ばれているらしい。

調べてみると河幅が広く水深が浅いほど干満の差を
受けやすいとのことであったが、地図上で見た钱塘江は
杭州湾に注ぐ河口付近がラッパのように大きく膨らんでおり、
盐官付近はちょうどラッパでいう吹き出し口の根本の部分にあたる。
逆流を見学するのに理想的な条件が揃っているようだ。

逆流現象はアマゾン川のポロロッカが有名だが、
まさか中国でも見られるとは。

この日の逆流発生の予想時刻は15時、
波の高さは1mとのことなので
昼食後、河沿いを散策して時間を潰す。
















ラッパで言えばすぼまった部分と形容したが、
ここですら対岸までの距離は2.8kmもあり、
知らずに来れば海か湖と思うだろう。
改めて大陸のスケールのデカさを痛感する。


















予定時刻が近づいてくるとどんどんと人が集まってきた。
穏やかだった河の流れも先ほどと比べると速くなっている。
そして…


ゴゴゴと唸りを上げながら河下から波が押し寄せてきた。
正直、1mの波と聞いて大したことはないのかなと思っていたが、
河幅とあいまってかなりの迫力だ。

津波は1mでも命に関わると聞いたことがあるが、
これを見れば納得である。

東日本大震災で10m以上の津波に飲み込まれた人々は
どれほど怖かっただろうかなんてことを自然に考えていた。

盐官の逆流現象は大潮の時期(新月や満月の前後数日)には
毎回起こる現象だそうだが、一番規模が大きいのは
中秋節(秋分の日)あたりで月餅を食べながら見るのが
地元民の慣わしらしい。

逆流を見終えた我々は次の目的地、西塘へと向かった。

後編へ続く。

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